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「5月25日シャルドネの日に」上田紀子の旅するワイン VOL.09

アメリカのカルフォルニア州で2016年から始まった記念日です。
 
5月の最終月曜日は、戦没将兵追悼記念日のメモリアルデー、その前の木曜日を「シャルドネの日」と定められています。
2023年の今年は、5月25日にあたります。
そのシャルドネの日にちなんで、カサレナのシャルドネをご紹介いたします。

カサレナでは、所有する4つの畑にそれそれ孫の名前を付けています。最年長の孫の名であるこのオーウェン畑は「生存者」の異名を持つ年長者に相応しい畑です。
石灰岩土壌のミネラル豊富な土壌にはシャルドネが植えられており、そのシャルドネ100%を新樽フレンチオークで12ヶ月寝かして造られます。外観は美しく、やや淡いレモンイエロー。輝きがとてもあります。

香りは、ミネラル感と共に白い花、マイヤーオレンジの様な柑橘系、フレッシュなリンゴ、ラフランス、少しハーブのニュアンスもあり、温度が上がるとトロピカルフルーツのパイナップル、ココナッツミルク、上品なバニラを感じます。

味わいは、ミネラルと果実味、酸味が心地よく、クリーミーなボリュームの後、若干の白コショウのスパイシーさが余韻に残ります。
アルゼンチンというと、前菜もお肉のイメージですが、オーウェンシャルドネは、魚介類との相性も良いようです。帆立とサーモンのセビーチェとも相乗し、添えられているイタリアンパセリやパクチーとも反発せず、包み込む懐の深さがあります。

魚さんの店先に鮎が出始めました。鮎の塩焼きには蓼酢が欠かせませんが、鮎は勿論、蓼酢ともオーエンは合いました。
春先であれば、蕗の薹、タラの芽、こごみといった山菜を天ぷらを塩で頂けば、ほろ苦さとミネラル感と山菜のほろ苦さもまたオーウェンとはまります。
冬には生牡蠣と合わせてみたいと思います。

ブルゴーニュ型グラスは、果実味と酸味を美しく引き出します。10℃位で召し上がって下さい。